活動レポート

2016.05.21 北里大学・白金キャンパス

第3回ケモインフォマティクス入門講座
(第12回情報化学入門講座)
計算化学初心者のための分子動力学計算講習会
〜計算環境の構築と失敗しないための考え方〜

 

 
2016年5月21日(土)の10時から17時まで、第3回ケモインフォマティクス入門講座(第12回情報化学入門講座)として、
計算化学初心者のための分子動力学計算講習会〜計算環境の構築と失敗しないための考え方〜
を実施しました。
 
 
今回の講師は中村真也(近畿大学)が担当し、サポートには3名のTAと若手の会の先生方についていただきました。
 
 
当日は約50名の方々に参加いただきました。計算をやったことのない人たち向けの内容だったのですが、
 
 
初回ということもあってか、中級者の参加も多くその方々には内容が易しすぎたかもしれません。一方でパソコンを使うこと自体もあまりない方もおられ、そういった意味で計算化学の実習の難しさを感じました。特に普段からPCを使っている人でもコマンド操作は難しいのではないかなと思います。
 
 


みんなでMDを実際に行いました。
(画像はクリックで拡大できます)

 
午前中は主に環境設定と各ツールの練習を行いました。分子動力学(MD)計算はかなり多様なツールを使いますし、実はMD計算のツールは「インストールが一番難しい」ので、なるべく環境差が少なくなるように腐心しました。
 
 
参加者の中でこれから習熟して、自分で本格的に計算を始めようというときに、計算サーバにツールをインストールする際、今回の計算環境の構築方法がいかに簡単だったか実感できるんじゃないかなと思います。実際うちの研究室の計算サーバでも、インストールできたマシンとできないマシンがあるくらいややこしいです。
 
 
午後からは、MD計算の基礎的な考え方や現在一般的に普及している手法を学習し、計算ツールGROMACSを使った演習を行いました。今回の講習会は、別にGROMACSを使うための講習会というわけではないので、
 
世にある無数の計算ツールどれでも使えるように。
 
もし自分でまだ十分に習熟した計算ができなくても、他の人がMDの話をしているときに内容がわかるように。
 
ということを念頭に理論や考え方の説明を行いました。
 


TAと一緒に受講者の皆様のサポートもしました
(画像はクリックで拡大できます)

 
実際この講習会ではGROMACSを使用してMD計算を行いましたが、講師は普段は別の計算ツールを使っており、講習会の講師依頼があってから初めて使いはじめたくらいです。(講習会の時点で使用歴数か月もない程度です。)それでも問題なく使えているのは計算の考え方や設定するべき項目が基本的に同じだからです。その意味で、今回の講義資料を理解できた人は、世の大半のMD計算でやってることが理解できているはずです。
 
 
 
その反面、事後のアンケートでもありましたが、実習の時間が十分取れなかった点は反省事項かなと思います。完全に初心者のみのコース、中級者以降のコースに分けることも検討事項として挙がっています。
 
 
 
今回の資料では、薬学分野で要望の多いMM/PBSA法による相互作用エネルギーの解析を掲載しておりましたが、要望が多ければ他の特定のケーススタディでも開催できるかもしれません。若手の会までご意見ご要望お寄せいただければと思います。
 
 
 


入門講座無事終了です。皆様お疲れ様でした!
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<この記事を書いた人> 中村 真也(なかむら しんや)
<所属>近畿大学薬学部創薬科学科 創薬分子設計学研究室 助教
<研究テーマ>構造活性相関、Structure-based Drug Design、分子動力学、フラグメント分子 軌道法、ドッキング計算